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9.概説・近世・現代

 

田端宏ほか 『アイヌ民族の歴史と文化 教育指導の手引』 山川出版 2000年。入手可。税込定価1365円。安価で入手もたやすい反面、図書館などではあまり見かけないかもしれません。教育者向けの虎の巻として作られただけあって、簡潔でわかりやすい良書です。当時の最新のトピックもとりあげていますが、それだけに数年で修正が必要になった(と私には思われる)部分もあります。

Ч・М・タクサミ 『アイヌ民族の歴史と文化 北方少数民族学者の視座より』 明石書店 1998年。入手可。税込定価3465円。主としてロシア側の史料にもとづいた歴史概説。著者はニヴフ人で著名な民族学者。日本側史料の扱いに一部問題もあると思われますが、なにより日本人研究者の知らなかった史料による貴重な本です。

榎森進編 『アイヌの歴史と文化(1)(2)』 創童社 2004年。入手可。税込定価各2100円。概説書です。図書館には1987年に三省堂から「日本民衆の歴史8」として刊行された『アイヌの歴史 北海道の人々』のほうがあるかもしれません。

菊池勇夫 『アイヌ民族と日本人 東アジアのなかの蝦夷地』 (朝日選書) 朝日新聞社 1994年。入手可。税込定価1470円。入手しやすいし読みやすい本です。扱う時代がかなり限られているので、概説書としては不向きかもしれません。

海保嶺夫 『エゾの歴史』 (講談社選書メチエ) 講談社 1996年。入手可。税込定価1680円。「アイヌ」の文字が無いので見落としがちですが。中世・近世に興味があるならまず手頃な入門書です。ただ、歴史関係の一般書籍にはかなり思い切ったことが書かれていることが多いですね。著者は北方史の専門家です。

小川正人ほか 『アイヌ民族 近代の記録』 草風館 1998年。入手可。定価8500円。ちょっと高価で、店頭でもあまり見かけませんが、図書館にはあるでしょう。なければ購入を求めるべきです。アイヌ人にとっての近代を考える基本的な資料集です。

小川正人 『近代アイヌ教育制度史研究』 北海道大学図書刊行会 1997年。入手可。税込定価7350円。当然ですが、アイヌ民族の「日本国民化」はたんに公民権の問題ではありませんでした。制度と実態、日本人側の思惑とアイヌ人側の行動など、さまざまな側面があります。「教育史」にとどまらず、近代アイヌ史を学ぶ上での基本書。

テッサ・モーリス・鈴木 『辺境から眺める』 みすず書房 2000年。入手可。税込3150円。著者は社会学者。北方少数民族を扱う場合、ほとんど知識無く理論的枠組みに押し込もうとするか、あるいは細部の記述に慎重になりすぎて理論的展開がなくなってしまうか、という両方の危険があります。本書はがんばってバランスをとろうとしているようです。研究者の間では常識的なことがらも、外部からの視点で新鮮なものとなる、という好例。

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