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1.個人全集など

 

『金田一京助全集』 (全15巻。うち5-12巻がアイヌ関連)。三省堂1992-93年。入手可。分売可だが1冊8000円前後と高価。
 金田一京助(1882-1971)は国文学者ですが、アイヌ語・アイヌ文化研究者として高名です。言語学・文学としての研究は彼に始まったと言っていいでしょう。アイヌ語・アイヌ文学研究の基本文献です。また、古代資料についても基本的な文献です。もちろんその後、研究は進んでいますのでさらに興味をもたれた方は最新の研究成果にあたることをお勧めします。
 
『知里真志保著作集』 (全6巻)。平凡社1973-76年。入手可。ただし現在はセットのみで60000円と高価。
 アイヌ語学者として知られる知里真志保(1909-1961)は、アイヌ文学・文化研究に言語学の手法を持ち込みました。現在の研究の枠組みを作ったといっても過言ではありません。アイヌ語・アイヌ文学研究の基本文献です。特に「別巻1・2」の分類アイヌ語辞典(人間編および植物・動物編)は必携。ただし、本著作集にはアイヌ語の原文テキストはあまり多く収録されていません。またその後、研究は進んでいますのでさらに興味をもたれた方は最新の研究成果にあたることをお勧めします。
 
『アイヌ叙事詩ユーカラ集』 (全9巻)金成まつ著 金田一京助訳注 三省堂1959-75年。品切れ。
 叙事詩テキストとして最も基本的な文献です。研究者ではなく、伝承者本人の手による記録としても重要(8-9巻は金田一が筆録)。1993年に復刻されましたが、現在はそれも品切れです。1980年から北海道教育庁から『アイヌ民俗文化財ユーカラシリーズ』として萱野茂による新訳が刊行中ですが、非売品ですし入手は困難でしょう。
 
『アイヌ叙事詩 神謡・聖伝の研究』 (全1巻)久保寺逸彦編著 岩波書店1977年。品切れ。定価でも古書価格でも3万円ほど。
 久保寺逸彦(1902-1971)は言語学者ではなく、専門家として初めての「アイヌ文学者」です。文化人類学的な論文もありますが、膨大な量のアイヌ口承文学を各地で聞いて回っていました。本書は神謡テキスト集として基本的な文献です。1巻本なので、図書館で見つかりやすいかもしれません。また『久保寺逸彦著作集』(1-2巻のみ既刊)を刊行中の草風館から、同じ著者による、平易な訳『アイヌの神謡』久保寺逸彦編訳2004年が刊行されています。
 
『萱野茂のアイヌ神話集成』 (全10巻)萱野茂編 ビクターエンタテインメント 1999年。品切れ。定価189000円。CD付。
 萱野茂(1926-)は「アイヌ民族出身」を明言して国会議員(1994-4998年参議院議員)になった初めての政治家ですが、アイヌ言語・文化の保存・継承活動でも有名です。1950年代以降、高名な伝承者の口承文学を録音しており、その一部が本集成です。音質もよく貴重な資料ですが、セット販売のみだったため個人での購入は少なかったでしょう。図書館で探してください。なお、1975年にはカセットテープ付でアルドオ社より『ウウェペケレ集大成』(全1巻)を刊行していますが、内容は重なりません。こちらは2005年7月21日にCD付で復刊されるそうです。

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