ノグリキのネットカフェ(まだ行ってないけど)
ノグリキにもPCショップやネットカフェが出来たらしい。2007年1月頃に行くと大きな看板が出ていた。忙しくて確認するヒマがなかったのだが、あっても不思議はない。ユジノサハリンスクは別格だけれど、ポロナイスクなどにもPC・IT関連の店がちゃんとある。ほんの10年ほど前の日本と同じで、PCはゲーム機である。PCを並べて遊ばせる店もあるし、ネットカフェも結局はゲーム目的らしい。ロシア人もニヴフ人も、とにかくみんなゲームが好きだ。勤め人はなけなしの給料をはたいて高価なPCを購入している。
今後10年も経てばネット環境も整備され、ブロードバンド常時接続が普通になるかもしれないが、そうなったらネット中毒者が続出するだろう。ニヴフ人は昔から「新しモノ好き」な民族である。ノグリキでもポロナイスクでも、みんなDSLの値段が下がるのを今か今かと待っている。
photo 冬のノグリキ
好景気
今はロシアが好景気だという話で、2006年〜2007年頃には数年前に比べて物価がかなりあがってしまった。数ヶ月ごとに調査で極東ロシアに行くたびにパンの値段があがっているので驚いてしまった。旅行者にとってもきびしいけれど、住民にとってはかなり事態は深刻だ。好景気の恩恵は必ずしも広く行き渡っているわけではない。年金生活者だけでなく、漁師や公務員も収入が劇的に増えるわけではない(というかほとんど変わらない)から、相対的に生活は苦しくなっている。ユジノサハリンスクには高給衣料品店やPCショップ、携帯ショップが軒を連ねているが、そこで気楽に買い物が出来る層は非常に少ない。
カザフ人
2007年の春に、空港からノグリキでタクシーに乗ったとき、中央アジアっぽい顔つきの2人と乗り合わせた(今でも乗合タクシーが多い)。彼らは聞いたことのない言葉を話していた。タジク人はときどき見かけるが、彼らが話しているのはタジク語ではないようだった。彼らが降りた後、運転手に訊ねると「カザフ人だってさ」と言う。商売できているらしい。ノグリキにはカザフ人のコネクションがあるのだという。数年前にはきかなかった話である。ひょっとしたら石油つながりで、その流れに乗って商売人が入ってきているのかもしれない。
ノグリキには近海に巨大な石油関連施設があり、郊外にはアメリカ石油会社の「町」がある。そこに働く人々に市街地で出会うことは滅多にない。だが、地方都市に似合わない大きな家電専門店や、チャーター便専門の空港建設など、他のサハリン地方都市とは違う顔がノグリキにはある。
干魚
ここ2、3年でニヴフ風干魚が珍しくなった。塩を使わず、薄切りで風にさらし、からからに乾燥させた干魚である。長時間干す必要があるし、手間がかかる。そのうち誰も作らなくなるかもしれない。ロシア人は塩味が好きだし、日本人は柔らかいものが好きだから、外部で受容されて生き延びるということもないだろう。
個人的には大好きなので、いつか日本で作りたいと思っている。ハエ対策・腐敗対策が難しくて東京では無理だ。北海道では作れるだろう。サハリンから「引揚げ」てきた人々のなかには、サハリン風の干魚を作っている人もいた。サケの身を薄く切るのはとても難しいが、いつか挑戦したい。
photo アムール地方アレエフカにて
「クリスマスツリー」
ロシアでも冬に「クリスマスツリー」を立てる。新年の飾りのモミの木である。ロシアでは24日の夜を特に祝うことはないようだが、少なくとも極東では少数民族もロシア人も1月1日を祝う。個人の家では2メートルくらいのモミの木を買ってツリーにする。毎年新しい木を調達する。ドイツではツリー用の木が足りなくなったりしているようだが、サハリンはさすがに森林だらけだから、今のところ問題はないのかもしれない。
自治体レベルになると、かなり巨大なツリーを立てる。ノグリキでは市庁舎近くの学校の校庭に数メートルの巨大なツリーを立てている。もちろん電飾付きで、夜にはそこが「ディスコ」になる。すごく寒いが地元の人たちは外出時はいつでも「完全装備」だから平気らしい。サハリンは島だから大陸ほど寒くならないが、それでも冬に帽子なしで30分も歩いているとひどい頭痛に見舞われる。
photo 個人宅のツリー
(2007年12月31日)