「〜するつもりだ」

 

n'id ニッド 「〜を食べる」

の終りの「d」は日本語の「〜る」や「〜た」にあたる「語尾」です(終止形語尾)。つまり

n'i-d ニ・ド「食べ・る」

のように切り離せます。

日本語では「食べ」より後ろの部分がいろいろと変化します。例えば、

「食べ・たい」

「食べ・よう」

といった具合です。ニヴフ語も日本語と同じように「n'i-」より後ろの部分が変化します。ただし、日本語とニヴフ語では少し表現の仕方が異なります。例えば「〜するつもりである」という言い方では、n'i-d 「食べ・る」の「n'i-」と「-d」の途中に「-iny-」をはさみます。

 

例(1) n'i- d
  ニ・
  食べ・

 

例(2) n'i-  iny-  d 
  ニ・ イヌ・
  食べ・ るつもりであ・  る 

 

このように、n'i-d の間にはさまれるものには他にも

-i- 「確実に〜ということになる」

-ivu- 「〜しようとしている」

などいくつかあります。


「〜た」「〜る」の区別はない

 

ニヴフ語には日本語と異なり「〜た」と「〜る」の区別がありません。また、日本語では「〜る」は近い未来のことを言い表わせますが、ニヴフ語では未来については別の言い方をします。

  日本語 ニヴフ語
過去(例:「昨日」) 食べた n'id ニッド
現在(例:「いつも」) 食べる n'id ニッド
未来(例:「明日」) 食べる(つもりだ) n'i-iny-d ニイヌッド