はじめに

 村上春樹の長編小説『1Q84』が爆発的に売れているそうです。村上春樹ファンとしても頑張って入手して、読み終わりました。なんと、ニヴフ人が登場するではありませんか。といっても、登場人物がチェーホフの『サハリン島』を朗読する、というかたちですが。小説中では引用文がそのまま掲載されており、注もついていません。たとえば、「ギリヤーク人」という旧名称もそのままで、現在の公式名称が「ニヴフ」であるという情報などは一切ありません。

 このサイトは、そういった細かいことに文句をつけるのが目的ではありません。ニヴフ人の多くは、内容がどうであれ日本人にニヴフ民族の存在が知られることを歓迎するだろうと思いますし。

 ですが、チェーホフの『サハリン島』も売れているとのこと。『1Q84』を通じて「ギリヤーク人」に興味をもたれた方がおられるということなのでしょう。であれば、「ギリヤーク人」についての補足情報という意味でいくつか連動記事を掲載しておきたいと思います。 まあ一種の便乗コンテンツということで、気楽にのぞいてください。「参考写真」「気の毒なギリヤーク人は本当に気の毒か?」「村上春樹『1Q84』での引用の仕方」の順に話がわずらわしくなります。「何も小説にケチをつけなくてもいいじゃないか」とお考えの方には、最後の「村上春樹『1Q84』での引用の仕方」は不要かと思います。

2009年6月 丹菊逸治

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